(初出:note 執筆日:2016年09月07日)
眩しいほどに青い空に漂う真っ白い雲。
まるで綿菓子みたいな白い雲の上を僕は歩いた。
ふわふわしてるけど弾力があって、飛び跳ねるとぼよんぼよんする。
まるでトランポリンのようで楽しくて、時間があっという間に過ぎた。
雲をちぎって食べてみると、綿菓子のように甘かった。
美味くて食べ過ぎてしまい、ふと気づくと辺りは夜で、太陽がどこかへ消えてしまった。
代わりに空に浮かんでいるのは、美しい三日月。
三日月は雲と一緒に僕を照らして、圧倒的な存在感を示してきた。
僕は雲から三日月へと飛び移り、その窪みに腰掛けた。
まるで揺りかごのような心地よさで、いつの間にか眠ってしまった。
月は少しずつ太り始めて、だんだん丸々としてきて、窪みがなくなってしまったので、僕は押し出されるように弾き飛ばされた。
そんな僕を受け止めてくれたのは雲だった。
雲はただその場に漂っているだけだけど、僕の命の恩人だ。