外は大雨だ。窓から覗いてみると、庭に植えられている植物たちが喜んでいるようだった。

つややかな雫を全身に浴びて、キラキラと輝いている。

その光景を眺めながらコーヒーを口にし、雲でおおわれた薄暗い空を見上げた。

窓の向こう側はまるで別世界だ。天井のある静かな室内にいると特にそんな気分になる。

「そろそろ梅雨の時期ですかねぇ」

「どうだろうな」

たわいのない会話が繰り広げられた。

まるで線のような雨が次から次へと降り注いでいる。

あれがもし針だったら恐ろしいな、と無意味なことを考えた。

カップが空になり、窓から離れる。

遠くの雨音が、鼓膜をくすぐってきた。