旧・悠久の大陸 9

(執筆日:2008年01月27日)

 人の気配すらない路地へと引きずり込まれた龍介は、何故か地面に押し倒され、あちこちから伸びてきた手に服を引きちぎられた。短剣はどこかに落としてしまったらしい。怖かった。怖すぎて身動きのひとつもできない。
 人型のモンスターたちは、異様なほど長い爪でいたぶるように服をちぎっていく。しかも楽しげに笑っている様子だ。
(俺、殺されるのか?ゲーム始まったばっかりなのに?)
 引きつり強張る龍介の目の前で、人型モンスターたちの股間が妙に盛り上がっていた。下卑た笑い。ほぼ全裸にされていく龍介。両足が左右に押し開かれ、その間にモンスターが入ってきた。
(待て。もしかして俺、まさかレイプされそうになってんじゃ?冗談じゃねえっ。やめてくれ気色悪いっ。初心者の町は健全仕様だっていってたじゃねーかーっ!)
 逃れることもできずに龍介がギュッと目をつむった時、ザシュッと何かを切り裂く音がした。霧のように四散するモンスターたち。
 体内に何も入ってこない様子なので、龍介は恐る恐る目を開けた。
「おまえ、いったいなにやってんの?ちったあ抵抗ぐらいしろよ」
 数十分前に酒場のカウンターで飲んでいた青年だった。
「……な、なにって……だって、街の外に出なきゃモンスター出て来ないと思ってたし、だってまさかあんなことされると思ってねぇし、俺、男なのに、なんでそういうターゲットにされたわけ?なんで初心者の街は健全仕様なのに、こんなことされるんだよっ」
 龍介はもうパニックに陥っていて、わけがわからなくなってしまっていた。ほぼ全裸だということも忘れて、溢れてくる涙も止められなくなっていた。
 フワッと布に巻かれた。野宿するとき用の掛け布だろうか。
「とりあえず近くに宿があるから、まずはそこに行くぞ。どうせおまえ所持金ないだろ。しょうがねぇから服も買ってやる」
 龍介の涙は止まり、ポカンとして青年を見上げた。
「……見かけによらず、優しい……」
「見かけによらずってなんだよ。今すぐここで犯してやろうか」
「……っ、ごめんなさい謝ります許してくださいっ」
「ちっ」
 面倒くさそうな舌打ちをし、青年は龍介の腕を引っ張って立ち上がらせた。

つづく