旧・悠久の大陸 4

(執筆日:2008年01月26日)

 容姿が決まると、次はゲーム内での基本操作やら基本ルールやらの説明だった。龍介は話半分に聞いており、早くスタートしたくてウズウズしていた。
『初めに、あなたには短剣が与えられます。熟練度が低いうちは遠出しないことを推奨します』
「へーい」
『HPがゼロになったら命を落とすのと同じ扱いですが、経験値が半分になって近くの宿屋から再スタートできます。当然ですが、現実のあなたはキズひとつ負いません』
「ねぇ、まだぁ?」
『……では、先ほど入った入り口から出てください。ゲームのスタートです!』
「やった。やっと始まるよ~」
 龍介は箱の中から出た。新しい容姿にはなったが、着ている服はやはりデフォルトのままだった。しかも所持金はゼロだ。
「よし、モンスター倒しまくって金稼いで、いい服買って、それからだな」
 戦闘を簡単に考えていた龍介は、酒場から出るなりすぐに街からも出ようとした。しかし、重厚な鉄扉に閉ざされた街門が立ちはだかり、門番らしき鎧を着た人たちが両端に立っている。
 しばらく迷った結果、龍介は声をかけてみることにした。
「あの、外に出たいんですけど……」
「許可証は?」
「……許可証?なにそれ?」
「残念ですがまだ外には出られませんな。初心者は危険をよく知りもしないまま、すぐに外に出たがって困るな」
 門番に鼻で笑われた。
 憤慨した龍介は、スタート地点の酒場へと戻る。最初に出会った酒場の女性に向かって問いかける。
「ねえ、外に出る許可証ってなに?その説明聞いてないんだけど」
「初心者の方はみなさんせっかちね。ものごとには段階というものがあるんですよ。戦い方も知らないのに、いきなり外に出るなんて無謀ですわ。そのための許可証なんです」
「……なるほど」
 龍介は納得するしかなかった。

つづく