旧・悠久の大陸 11

(執筆日:2008年01月27日)

「おまえ、名前は?」
 問いかけられ、龍介は口を開いた。
「龍す……いや、リュウ」
 青年がニヤニヤと意地悪く笑った。
「おまえ今、本名いおうとしただろ」
「してないよっ」
 急に恥ずかしくなって、龍介は声を荒げた。
「俺はエルク。こんなゲームの世界で本名とか、住んでる場所なんて絶対いうなよ。うっかり誘導されて自分の情報しゃべって、酷い目にあった奴もいるんだから」
「……こわっ」
「怖いよ。そういうの全部承知した上で遊ぶことだな。ゲームの中のモンスターよりも、実在してる人間のプレイヤーの方が怖いんだから。モンスターに倒されて死んでも、経験値が半分になってやり直せる。けど、プレイヤーに弱み握られたら、ゲームとは関係のない現実世界にまでついてくる。気をつけな」
「……はい」
「まぁ、大半のプレイヤーがごく普通のゲーマーなんだけどさ。中には違うのも混ざってるから。でもこれは、普通にネット使ってても注意すべき点なんだけどね」
「……気をつけます」
 落ち込む龍介の目の前に、袋がつきつけられた。
「服。さっさと着ろ」
 龍介は素直に袋を開けた。
「………………」
 龍介は袋を閉じた。
「……これは何かの冗談か何か?」
「本気だけど?」
「………………」
 龍介は袋の中身を取り出した。

つづく