恋ノ前兆

(初出:ゆいかromance 初掲載日:2001年09月25日)

「ごめん。やっぱり君とは合わないや。別れよう」
 突然そう切り出した樫槻美幸(カシギ・ヨシユキ)に、ほんの一週間前から彼女の立場にいたはずの矢崎唯(ヤザキ・ユイ)は、驚きを隠せない表情で呆然としていた。
「……え?」
 先日デートの約束をして、その待ち合わせの場所である駅前に到着したばかりだ。唯が到着するより早く、樫槻は駅周辺案内地図のガラス面にもたれるようにして立っていた。待ち合わせの時間は十時だったはずだが、今はまだ九時四十三分である。
 唯の反応の鈍さにやや苛立った様子で、樫槻はもう一度同じ言葉を繰り返した。
 二度も言われてしまえば、さすがに現実の言葉であることを認識せざるを得なくて、唯は戸惑うように何度か瞬きをしたが、やはり先に続く言葉は見つけられなかった。
「そういうことだから。じゃね。さよなら」
 あっさりと樫槻は言い放ち、さっさと立ち去るべく背中を向けようとする。唯は慌てた。
「ま、待って」
 引き止められると思っていなかったのか、樫槻はやや驚いた様子で振り向いた。
「なに?」
「え……えと、なんで?」
 唯は説明をすべて飛ばしたような問いかけをした。
「なにが?」
 樫槻が問い返す。
「だから、今からデートだったはずなのに、なんで?」
 要領を得ない問いかけに、樫槻はわずかに眉をひそめた。
「理由言ったよ。君とは合わないから。ごめんね」
「変なとこあるなら直すから!」
 唯は慌てたように言った。樫槻は当惑したような表情を浮かべて、少し考えるような素振りを見せた。
「悪いとこも変なとこもないよ。ちゃんと可愛いし。オシャレだし。でも俺じゃ駄目なんだよ、それだけ」
 樫槻が歩きだすと、唯は放心したように立ち尽くした。追いかけようにも、追いかけるための理由も言葉も見つけられない。なにしろまだ、たった一週間のつき合いでしかないので、どうすれば樫槻を引き止められるかの手段を選びようもないのだ。曖昧な言葉で去ってしまったのならともかく、樫槻ははっきりと別れの言葉を口にしたのだから。
 樫槻は待ち合わせの場所からだいぶ離れてから、ガードレールに腰をおろしてズボンのポケットから携帯電話を取り出した。メモリ登録している相手にかける。
「……あ、俺。あのね、この前の娘と別れちゃった。やっぱり俺、駄目みたい。無理だよ。……え? どう駄目かって……駄目なもんは駄目なんだよ。……ん。うん。……わかった」
 通話を切る。
 樫槻はしばらく黙り込んだまま携帯電話を凝視していたが、小さく溜め息をつくとガードレールから立ち上がった。

 辰巳茂人(タツミ・シゲト)は独り暮らしをしているアパートの部屋で、携帯電話の通話を切った。昨夜遅かったこともあるし、今日が日曜日なこともあって、つい先ほどまで爆睡していたのである。携帯の着メロの音で起こされた。
 大学生になり、そろそろ一年が過ぎる。
 樫槻も人並みに彼女を作ろうと努力をしていたことはよく知っていた。だが、これまでつき合った女の子とは続いたためしがない。早くて一日、長くて三週間。
 高校生の頃は、まったく女の子に関心を示さなかった。いつでも辰巳の傍にいて、辰巳しか必要としていなかった。おそらく今でも変わってないのだろうが、自分でもそれではマズイと気づいているのかもしれない。そんな風に思いながら辰巳は、再び布団の中へと潜り込む。
 辰巳の方は、初めから彼女を作る気などなく、大学生活とバイトに専念していた。外見のせいで近寄ってくる女の子は数多くいたが、なんだかんだと理由をつけては誘いに乗らないようにしていた。樫槻とよく一緒にいるせいで、実はゲイなんじゃないかと噂されていることも知っている。
 だが、辰巳はすべての気持ちを封印してしまったのだ。高校一年の春に。
 以来、その封印を解いたことはない。
 自分の気持ちを成就させようと思う気持ちは薄く、いっそのこと永久にしまっておきたいほどだ。樫槻は樫槻の人生を生きてほしいし、辰巳はその近くでそっと見ているだけでいい。気持ちを伝えてもしも受け入れられるようなことがあっても、樫槻の身体は男を受け入れることなどできない。それほどの深い傷を彼は抱えている。
 睡魔に引きずり込まれそうになりながら、辰巳はふと、何人目だっけと考えた。既に数えられないほど、樫槻は相手を取り替えていた。
 そして、いずれもキスもなければキス以上の関係にもなったことがないのを、辰巳は知っている。
 下手をすれば、手もつないでないかもしれない。
 困ったな……と考えながら、辰巳は意識を手放していった。

 ドアの鍵が開く音で目が覚めた。
 六畳一間だから視線を横に向けるだけで玄関のドアが見える。それは辰巳の意志に関係なく勝手に開き、眩しい太陽の光を中へと差し込ませた。
 そこから顔を見せた相手をしばらく眺めてから、辰巳はゆっくりと上半身を起こす。
「……来たんだ?」
「うん」
 樫槻はドアを閉めて鍵をかけると、無造作に靴を脱いだ。
 独り暮らしを始めた辰巳と違い、樫槻は今でも実家にいる。だが、辰巳の暮らすアパートの方が大学から近いため、樫槻は理由をつけては何度か泊まっていた。あんまり頻繁に来るものだから、いちいち鍵を貸すのも面倒になり、辰巳は合い鍵を作って樫槻に渡した。
「なんで寝てんの? もう十一時だよ」
「……昨日、寝たのが明け方四時」
「夜中、なにしてんのおまえ」
「……夜勤アルバイト」
 辰巳は軽く頭を振って、なんとか睡魔を追い払おうと努力した。
「昼の、十一時ってことは……樫槻本当にデートしなかったんだ?」
「だって別れたし」
「……そういうの、相手が可哀想だから。デート楽しみにしてた相手、直前でふるのってハンパじゃないショック受けるんだからね」
 辰巳が言うと、樫槻は面白くなさそうな表情をした。
「もう駄目だってわかっちゃったんだから、しょうがねぇじゃん。一日苦痛に耐えて、デート終わってからサヨナラ言う方がヤな感じしない?」
「……苦痛って……」
 辰巳は傍で座っている樫槻を改めて眺めた。
「そうなるなら、なんでその娘とつき合ったんだよ」
「大丈夫な相手探してるんだよ、俺」
「大丈夫な相手」
 辰巳は樫槻の言葉を繰り返した。
 樫槻はやや照れたように口を開く。
「辰巳みたいなの。俺、自分でも辰巳に寄りかかりすぎなのわかってたし。なんかこのままじゃ、まともな大人になれないの目に見えてる気がしてさ」
「でも大丈夫な相手、見つけられないんだ?」
「……うん。いないね、どこにも。もしかすると辰巳しかいないのかも」
 辰巳はしばらく黙ったまま樫槻を見つめていた。
 ぽん、と樫槻の頭に片手を乗せる。
「俺じゃ男だから結婚できないよ」
「なに当たり前のこと言ってんの。知ってるよ、それぐらい」
「あんまり焦らない方がいいよ。もう少しゆっくり歩きなよ。その方が樫槻には合ってると思うから」
「……うん」
 辰巳は樫槻の頭から手を離し、立ち上がった。布団を片づけてから、パジャマから私服へと着替えるためにタンスを開ける。
「樫槻、まだなにも食べてない? 外食行こうと思ってるけど」
「食べてない。一緒に行っていい?」
「いいから訊いてるんだよ」
 辰巳が笑うと樫槻も笑った。
 ふたりの時間は確かにいつも幸せだ。誰にも脅かされることもなく、穏やかな空気のままでいられる。他の誰かとは共有できない、ふたりだけの独特な空気がそこにはある。
 だが、居心地がいいからと言って、その世界だけに浸っていてはいけない。外にはたくさんの別の世界があって、別の空気が流れている。それらをすべて無視してふたりだけの空間に閉じこもっていてはいけなかった。
 辰巳がそう思うのと同様に、樫槻もそう思っている。
 だから別世界に触れてみようとはするのだが、どうにも馴染めずに手を離してしまい、結局樫槻は辰巳の傍に帰ってきてしまう。唯一、居心地のいい場所はここにしかないから、すぐに舞い戻ってきてしまう。
 着替え終えた辰巳が財布を持つと、樫槻も立ち上がった。連れ立って外に出て、近所にあるファミレスへと向かう。
 向かい合わせに席に着き、メニューを注文したところで、樫槻の携帯電話が鳴った。
 樫槻は一度取り出してはみたものの、液晶画面を一目見るなり電源を落とした。辰巳が問いかけると、言いたくなさそうな顔をする。
「俺に言えないような人?」
 辰巳がやや角度を変えて問い直すと、樫槻は観念したように口を開いた。
「今朝ふった元カノ」
「……なるほど。向こうはまだ未練たらたらだ? いきなりだもんね。彼女の方もびっくりするよね」
「そういう……言い方、すんなよ」
 樫槻がやや不機嫌そうに窓の外を見た。その先には特別変わった風景はなかったが、単に辰巳と目が合わせられなかっただけだ。
「……辰巳は、いつもフリーだな」
「忙しいしね。そこに面倒のかかる人いるし」
「重荷なんだ?」
「全然」
 あっさりと辰巳が答えると、樫槻が安堵の表情を浮かべた。ファミレスの椅子の背にもたれかかる。
「よかった。重荷だったらどーしようっていつも思ってたからさ」
 その言葉に、辰巳は不思議そうな視線を樫槻へと向けた。
「なんで? 俺いつでも樫槻の味方って言ったのに」
「……だって、人間てさ。気ィ変わることとかもあるじゃん。中学ん時と高校の時と大学の時と、社会人になってからも……変化してく生き物じゃん。変わってくのが普通だろ?」
「変わるって?」
「物の考え方とか。価値観とか。好きな人とか物とか」
 樫槻はやや遠くを眺めるように、そんな言葉を言った。
「変わるのが普通じゃん」
「大丈夫。俺は変わらないから」
 樫槻はしばらく辰巳の顔を見つめてから、ふっとそらした。それからなにかを思い出したように苦笑する。
「まだ言ってなかったけど、うちでね、大事件が発生したんだ」
「大事件?」
「うん。うちの両親がね、離婚するって。なんかもう、最悪な空気流れてる。冷たくて、寒い感じ。もともとは親父が浮気したのバレて、しかもそれが本気だったことまでわかって。おふくろキレて相手のうちに乗り込んだらしいんだけど、結局駄目で。離婚したら親父は再婚するんだってさ。相手はまだ二十一だって。俺とそんなに変わんないじゃん。親父の会社のね、部下らしいんだけど。不倫はもう嫌だから奥さんと離婚してって言ったんだってさ。で、親父素直に聞いてんの。バカだね」
 辰巳は驚いた表情で問いかけた。
「それ、いつの話?」
「ん? 俺が聞いたのは、三日ぐらい前かな。自分の中で整理つくまで三日かかった」
「それって短くない? 整理つくの早くない?」
「早くない。大丈夫。平気。わかってたから、うちが冷えてたの。親父が浮気してんのも気配で想像ついてた。きっといつか壊れるって予想できてた」
 樫槻はまるで自分に言い聞かせるように言った。
「人間関係なんて、こんな風に簡単に壊れるもんなんだよ。それがたぶん、普通なんだね」
「……全部が全部壊れたりしないよ。大丈夫な人たちも世の中にはいるから」
 樫槻がすべてを否定したりしないように、辰巳は注意しながら言った。
「信じられる人見つけて、幸せなまま老衰する人もいるから」
 根拠があるわけではなかった。きっとそういう人もどこかにいるのではないかと、勝手に思っているだけだ。
 樫槻がかすかに笑った。
「俺は、辰巳がいるから大丈夫だね。よかった辰巳がいて。辰巳しか信じられないから」
 そう口にしてから、樫槻はしまったというような顔をする。
「俺、変なこと言ってるね。気にすんなよ。負担にならないように努力はしてるんだから、これでも」
「負担じゃないよ」
 そう言ってやるしか辰巳には方法がない。樫槻はいつでも不安定な細い糸の上に立っていて、いつ落ちてしまっても不思議じゃなかった。だから辰巳が、落ちないように常に手を差し伸べているのだ。
 店員が注文した料理を持って来た。話はそこで一度中断し、ふたりは食べる方へと専念した。

 ファミレスを出た帰り道、ふいに樫槻が言った。
「おくふろが俺を引き取るって。もう大学生だからあんまり関係ないけどね。たぶん俺、そのうち家出るかも。独り暮らししてみたいし」
 辰巳は一瞬、それならいっそのこと二人暮らしにしないかと持ちかけそうになった。喉から出かかった言葉は飲み込まれ、そのまま胸に戻った。
 代わりに別の言葉を口にする。
「大学の近くで安いとこ、空いてたかな? 調べてやろうか?」
「ねぇ俺、辰巳と一緒に住んだら駄目?」
「……え?」
「それが一番安心なんだけど」
「……安心……」
 辰巳にとってはあまり安心ではなかった。彼にとって樫槻は恋愛的対象の範疇に入っている。封印したとは言え、いくら泊まりに来た時にはなにもなかったとは言え、常に一緒に生活して寝起きするとなれば話は別である。
「六畳一間でおそろしく狭いけど?」
「邪魔?」
「邪魔じゃないけど、樫槻はどうなの。六畳一間」
「俺はべつに……豪華な暮らしとかする気ないし」
 決定権は辰巳に委ねられてしまった。他に打開策はないかと考えてはみたが、突然のことすぎて頭がまわらない。樫槻は答えを待っているのか、辰巳を凝視したまま視線をはずさない。
「じゃ、一緒に住む?」
「いいの?」
 樫槻が嬉しそうに笑った。その危機感のなさに辰巳は内心で深い溜め息をつくが、信頼されているというのは本当はいいことなのだと自分に言い聞かせる。
 ただ、自制心に限界が来ないことを願うだけだ。
「今の家、おふくろの物になるみたいだし。親父の方が出て行くんだって。慰謝料も払うらしいし、俺が卒業するまで学費も出すって。俺、バイトもするから経済的な負担、辰巳にかけないように頑張るからさ」
「無理だけはするなよ」
「無理じゃないよ」
 樫槻は上機嫌に笑った。辰巳の腕に腕を絡ませてもたれかかってくる。
「なんか久しぶりに幸せな気分になったよ、俺」
「本当にいいの? 後で後悔するようなこと……」
「ないよ。ないない。絶対ないから」
 なにを根拠に断言するのか、辰巳にはわからない。だが、嬉しそうにしている樫槻は微笑ましく、辰巳もだんだん上機嫌な気分になってきた。

 樫槻の荷物はとにかく少なかった。
「荷物整理してる時に、片っ端から捨ててきた。ここ狭いし、俺負担になるのだけは嫌だからさ。衣類関係はあんまり減らせなかったけど、そんなに場所とらないようにするから。最低限必要なものはちゃんと持ってきたよ。……そうだ、うちベッドだから布団なくて、持って来れなかったんだけど、どうしようか」
 衣類を自宅から持ってきた小型ダンスに詰め込んでいた樫槻が、いきなり振り向いた。
「えっ?」
「買おうと思ったんだけど、金もあるんだけど、引っ越した後でいいかとも思って。こっちに配達してもらった方が楽だと思ったし」
「……ていうか、いつも泊まりの時の布団じゃ駄目?」
「いいの? あれ使って」
「俺は全然構わないけど」
「よかったー。辰巳ありがとーっ」
 樫槻は素直に喜んで、衣類をタンスに詰め込みはじめた。
「そうだ、家事分担しようか。俺、料理全然駄目なんだけど」
「ああ、俺も駄目だな」
「……じゃあ外食?」
「金かかるし」
「いつもどうしてたっけ?」
「いや、一応作ってるよ。下手なりに」
「そうだよね。俺、食べたことあるよね。でも美味しかったよ」
「……てことは、俺が料理係?」
「駄目?」
「いいけど」
「俺、掃除するから」
「洗濯は?」
「あと、ゴミ捨てもやるね」
「……洗濯は?」
「えーと、あとはー……」
「…………洗濯は?」
「そうだ、食事の後の片づけとか洗い物やるよ」
「わかった。洗濯は俺だね?」
 そんな会話を繰り広げながらも、辰巳は自分が少し浮き足立っていることに気づく。これまで樫槻は誰よりも身近な存在だったが、さらに身近な場所に来た。封印を解く気持ちはないものの、手を出すつもりもないものの、それでも心のどこかで嬉しいと思っている。
「じゃあ、もうそろそろ夕飯の支度でもするかな」
「あ、辰巳」
「ん?」
 呼ばれて辰巳が振り向くと、樫槻がじっと見上げていた。
「拾ってくれてありがと」
「……なに言ってんの?」
 辰巳は苦笑する。樫槻は真剣だった。
「俺、あの家にいるの、嫌だったから」
「今さらだろ。何年のつき合いだよ。遠慮するような関係じゃないんだからさ」
 辰巳が笑うと、樫槻もホッとしたように笑った。
 樫槻はまだ辰巳に言ってないことがある。不倫をしていたのは父親だけではなく、母親にも別に男がいたこと。父親の出張中に家に連れ込み、関係を結んでいたのを、樫槻は偶然目撃してしまったことがある。幸い、母親の方は気づいていないが、それ以来樫槻は母親を母親として見られなくなっている。得体のしれない生き物のように思っている。
 それは言わなくてもいいと、樫槻は思った。聞いて気持ちのいい話ではないからだ。
 独り暮らしが嫌だったわけではないが、できることなら辰巳と一緒にいたかった。依存心が強すぎることは自分でもわかっている。だが、辰巳はいつでも樫槻のワガママを聞いてくれる。その心地よさはもう、手放せないものに思えた。
 唯一の味方。ただひとりの絶対に守ってくれる人。
 その認識が強くなればなるほど、樫槻は辰巳に縛りつけられていくような気がしていた。
 だがその縛りつけられていく感覚も心地よく、樫槻は自分でも、辰巳なしでは生きられない人間になっていることに気づいていた。
 恋愛感情という意識はない。
 ただ必要な人。大切な人。
 樫槻が生き続けるために、必然的にいなくてはならない存在。
 それは言わないでおこう、と樫槻は心に決めた。言えば辰巳の負担になる。重すぎて逃げてしまうかもしれない。辰巳には辰巳の人生があり、将来がある。その邪魔だけはしてはならなかった。
 邪魔にならないぎりぎりの範囲で傍にいる。居続ける。
 それでいい、と樫槻は思った。それ以上のことは望まない。望んではいけない。
 辰巳と出会ってからは、何回も助けられている。それで充分なのだと、樫槻はそっと笑った。

END

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