悠久の大陸 8

(掲載日:2017年02月26日)

「四つん這いになって」
 リュウトに言われるがままに四つん這いの体勢になった。森で蔓に犯されている時よりも、遥かに恥ずかしかった。
 尻にリュウトの手が触れる。ビクッとナツキは小さく震えた。
「あの蔓の粘液はしばらく経つと催淫剤になるんだ」
 リュウトがさりげなく言い放つ。ナツキは一瞬何を言われたのかわからなかった。
「……え?」
 リュウトはナツキの尻を両手で優しく撫でた。
「中にたくさん出されただろ? 粘膜から体内に吸収されて、じわじわと浸透して効果が広がっていく。最終的には全身が性感帯のようになる。そろそろ感じてきてもいい頃じゃないか?」
「……え?」
「可哀想に。あんな蔓なんかにいいように犯されて。あの時のナツキ、すごく色っぽかった。我慢するのが大変だったよ。ほら、俺の股間はもうこんなことになってる」
「……え?」
 ナツキが振り返った先には、下腹部を剥き出しにしたリュウトがいた。その中心にそびえ立つ猛々しい大きなものの存在に、思わず息を呑んだ。
「ひ……」
 嘘だろ? 言葉にならない叫びがナツキの中に宿る。
「お、俺……に、そんな、つもりは……」
「そんなこと言ってても、もうすぐ我慢できなくなるからさ。身体のほうは意思に反してうずうずしてくるから」
 リュウトがナツキの尻にキスをした。ぞくっと震えが走る。悪寒とか気色悪いとか、そういうのではなかった。予想もしていなかったような妙に熱い疼き。
「……あ、やだ……やだよ、やだ……っ」
 うわごとのようにそう言うしかなかった。足腰がガクガクと震える。力が入らない。
「ナツキのヴァージンを蔓なんかに取られちゃって悔しいよ」
 さほど悔しくもなさそうにリュウトが言い放った。ナツキの腰が両手でつかまれる。ビクッと震えた。
「あ、待って、やだ……待って」
「何を待つの? ナツキのここは硬くなり始めてるのに?」
 いきなり股間のものを握られた。
「ひゃあっ」
「先っぽがしっとりと濡れてる。ナツキの身体は期待してるみたいだけど?」
「……あ、あぁ、ちが……違う……」
 ふるふると左右に首を振った。だが、リュウトの手が根本から扱いてきたので、どうにも逆らえなくなる。
「あぁっ、やっ、擦らないで……っ」
「先走りの蜜が溢れてきてる。本当にやなの?」
 からかうような声でリュウトが囁く。先端の尿道付近ににリュウトの親指が乗せられ、塗り広げるようにされると、たまらなくなった。
「あっ、あぁっ……」
「気持ちいいなら気持ちいいって素直に言えよな。まるで誘うように尻も揺れてるし」
「ち、ちがっ……誘ってな……」
「うずうずしてきた? 本当は、挿れてほしくてしょうがないんだろ?」
「ちがっ……」
 何を言ったところで無駄なのはもうわかっていた。リュウトの言う通りだ。ナツキの気持ちに反して、身体はこの行為を求めていた。疼き始める身体をナツキはどうすることもできない。
 服の中にリュウトの手が滑り込んできた。左右の胸の突起をつままれ、ビクンッとナツキの身体が跳ねる。
「あぁ……あ……」
「乳首、気持ちいい?」
「……やぁっ……」
「やだばっかりじゃなくて、いいって言えよ」
 ふるふるとナツキは左右に首を振る。
 リュウトの指先で胸の突起をこねられると、言い知れぬ快感が這い上がってきた。しかしまだこの状況を認めたくない自分がいる。
「……だ、め……っ、触るなぁっ……」
「触られるのやなの? じゃあやめようか?」
 少し意地悪な声でリュウトが囁いた。胸元からスッと手が消える。
「…………っ」
 ナツキは困惑した。思わずリュウトを振り返る。
 本当にやめるとは思っていなかったのだ。
「どうした? 嫌だったんだろ?」
 にやりとリュウトがイタズラっぽく笑う。
 ナツキは唇を噛んだ。
「じゃあ、俺は風呂に」
「だめだよ。まだここにいろ」
「どうして」
「ここはアダルトゾーンなんだよ、ナツキ。宿屋の隣は村で一番大きな酒場だ。風呂があるのは一階で、しかも共同風呂だ。ここに泊まってる奴なら誰でも入れる。今の状態のナツキが悪い連中に見つかったら、それこそ強姦されたり、輪姦されたり」
「わかった。ここにいる」
 ナツキは自分の腕を抱きながら青ざめた。
「……俺、アダルトゾーンを何か勘違いしてたみたいだ。思ってたのと、いろいろ違う」
「自分が性的対象として見られるとは思ってなかったってこと?」
「だって俺、男だし」
 ふふっとリュウトが笑った。
「真面目な話をするとね、実はアダルトゾーンは深刻な女不足なんだよ」
「え?」
「いや、どこかにはいるのかもしれないんだけど、男の数と比べると圧倒的に少ない。あるいはいないのかもしれない。たまに出会っても中身が男の、いわゆるネカマだったりするし。それぐらい見かけない」
「どうして?」
「アダルトゾーンに興味本位で来たがるのが、圧倒的に男ばっかりだからだろ」
「……なるほど」
 ナツキはちょっと恥ずかしくなった。リュウトはさらに話を続ける。
「女で性的欲求を満たす方法はないわけじゃない。アダルトゾーンにしか存在しない、人工知能が搭載されたセックス専用のNPCがいる」
「なんで人工知能」
「単調にならないようにだろ? でも俺はナツキのほうがいいけどな」
「…………っ」
 ナツキはぎくりと強張った。
 実はずっと我慢しているが、ひそかに呼吸が荒くなっている。先程いじられた乳首や、下腹部がズキズキと疼き、同時に尻の奥でも何かを欲している。くらくらと、めまいのような何かがナツキの内部を襲ってきていて、頭がうまく働いていない。
 リュウトが言っていたことはやはり本当なのだ。触手の森の蔓が放った粘液は催淫剤の効果があり、今ナツキを苦しめている。
「苦しそうだな」
 指摘されて、またぎくりとした。
 リュウトの手が伸ばされ、ナツキの下腹で張り詰めたように屹立しているものを絡め取られる。軽く扱かれただけで達してしまいそうだった。
「……はぁっ……ん」
 頬を紅潮させながら熱い息を吐き出す。
「観念しろよ、ナツキ。苦しいんだろ?」
「…………」
 リュウトの手がナツキの腿に触れた。
「あっ……」
 ビクッと小さく揺れるナツキを、リュウトが様子を伺うようにじっと見据えている。
「ほら、だんだん全身が性感帯になってきた」
 腕に触れた。ナツキがビクッと震える。
「んっ……」
「どこ触られても気持ちいいんだろ?」
 ナツキははぁはぁと息を乱しながら、目の前のリュウトを見た。興奮を隠していない彼の顔は、獲物を見つけた獣のようだった。ナツキの脳裏に、初めて出会った時の光景が蘇る。ああ、と思った。おそらくきっと、あの頃から。リュウトが初心者の村で探していたのは友達なんかじゃない。彼はきっと初めから。
「うっ、あっ……」
 ビクンッとナツキの腰が揺れた。リュウトの手の中にあった屹立から白濁の液体が溢れ出す。
「あぁっ、あぁっ」
「たくさん出たね」
 リュウトが楽しそうに告げる。
「そろそろ、おあずけの時間は終わりだ」
 ナツキはリュウトの手で、先程と同じような四つん這いの体勢にされた。後ろから念入りに尻を揉まれ、ひくひくと収縮を繰り返している卑猥な孔をじっくりと見つめられる。
「ここはこんなにも欲しそうだよ、ナツキ」
 ナツキは何も言えず、ただ左右に首を振った。
 リュウトは膨らんだ先端を小さな窄まりに当てた。多くの蔓に蹂躙された痕跡はまだ残っている。中に出された粘液はまだ残っていたが、少し時間が経っているのでリュウトにはさほど影響はない。挿れるのが楽になるだけだ。
「う……っ」
 先端が入った。ナツキはビクッと揺れて、苦しげに小さくうめく。狭い器官にみっちりと、リュウトが進んでくる。
「ナツキの中、熱い」
「……俺、も……熱い、よ……リュウト……っ」
 もはやナツキの尻は性器と変わりなかった。全身が性感帯になるというリュウトの言葉は間違いなく本当で、この感じやすくてたまらない身体をナツキはどうしたらいいのかわからない。
 粘膜を突き進んできたリュウトが止まる。彼の股間とナツキの尻がぶつかった。奥まで挿れられたのだとわかって、ナツキは小さく震えた。
「……あ、……あ、……あ」
 敏感になっているのが自分でもよくわかる。自分の身体ではないみたいだ。半ば強制的にリュウトのものにされていく感じに困惑していた。どうしてこうなったのだろう。どこから間違えたのだろう。
 リュウトがゆっくりと腰をグラインドさせた。
「あっ、あぁっ」
 ナツキの上半身が崩れ落ちた。腕に力が入らない。尻を突き出すような姿勢のまま、ゆっくりと後ろから突かれた。
「んっ、んっ……んっ、んっ」
 リュウトの膨らんだ先端で、内壁をじっくりと擦られていく。ぬちゅぬちゅといやらしく濡れた音が室内に響いた。もはや性器と化したそこは、少しの刺激でも驚くほど敏感で、ナツキは頭が変になりそうだった。

つづく