悠久の大陸 19

(掲載日:2018年06月10日)

 リュウトに連れて行かれた先は宿屋だった。また三人でやることになるのかと、ナツキが内心でげんなりしているとベッドに座らされる。
「ねえ、俺と会った時はセックスしかしないの? ゲームやりたいんだよね、俺」
「おまえのために面白い装備とアイテムを買ってきた。つけてみないか」
「……ここで?」
 どうして宿屋なのかと怪訝に思っていると、リュウトがアイテム枠から次々と取り出してきた。見た瞬間、ナツキはぎょっとする。
「ひゃああああああ、なにこれ」
「だから、装備とアイテム」
 どこに行けばそんなものを売っているのか。いろいろ問いたいが聞きたくない代物を、リュウトはためらいなくベッドに置いていく。
「まず、これは下着だ」
 下着と呼ぶよりもベルトだった。ラバー素材でウエストと太ももの付け根に巻きつけ、股間部分も覆うような形になっている。どう見ても変態臭が漂っている。
「この股間を覆う部分には、アナル用のピストンバイブを装着して使うんだ」
「な、なな、な、なんの、ために……っ」
「なんのために? よがり狂うナツキを見るために決まってるじゃないか」
「よし、俺がつけてやるよ、ナツキ」
 スオウが喜々として混ざってきた。触ろうとしたので、反射的にナツキが払いのける。
「やめろよっ」
「いって」
 スオウが大げさに痛がったが、ナツキは相手にしなかった。
 リュウトがその様子を眺めてふふっと笑う。
「わざわざつけるのも楽しいけど、ナツキがそうすんなりとつけさせてくれるとは思ってない。幸い、ここはゲームの中だ。もっと簡単につけさせる方法がある」
「……えっ?」
 リュウトがナツキの背後にまわり、右手を取った。左手首の端末へと運ぶ。ナツキの指先でステータス画面を開くと『プレゼントがあります。表示しますか?』という文字が浮き出た。リュウトが勝手に『はい』と押してしまう。
「えっ、ちょっ」
「トレード機能の他にもプレゼント機能があるんだ。これできみのアイテム枠に入った。あとは装着するだけ」
 リュウトはナツキの全装備を外すを選んだ。瞬時にしてナツキが全裸になる。
「あっ、ひゃっ、わっ」
 慌てるナツキにはお構いなく、リュウトは今受け取らせたばかりのベルトとピストンバイブを『装備する』にした。
「ひぁうっ……!」
 自動的にベルトが装着され、同時に体内にもバイブが入っている。取りたくても、ナツキの身体にがっちりと固定されていた。むき出しになった股間の中心は、刺激に反応して頭をもたげ始めている。
「えっ、やだっ、やだっ、はずすっ」
「だめだ」
 リュウトにやんわりと背後から腕をつかまれ、羽交い締めにされる。スオウはその様子を楽しそうに眺めていた。
「いい格好だよ、ナツキ」
「やだ……っ、見るな……っ」
「バイブはリモコン式になってて、俺が持ってる」
 スオウはそう言うと、スイッチを入れた。
「……あっ……!」
 ナツキがびくんと跳ねる。体内のバイブが振動しながらピストン運動をしはじめたのだ。
「あっ、あぁっ、だめっ、リュウト離して……っ」
「だめだ」
 ナツキは目を見開いたままのけぞり、喉をそらした。
「つよ……っ、刺激、つよ……やだっ、リュウト、許して……っ」
「まだ弱だよ」
「そ、じゃ……なく、て……っ、あぁっ」
 ナツキは両足を突っ張らせながら、ガクガクと小刻みに震える。中心では張り詰めた屹立が透明な蜜を溢れさせ、ぽたぽたと雫を落としてベッドの布地を濡らした。
「すっげ、やらしいな、ナツキ」
 スオウが素直な感想をつぶやく。見ているだけでたまらなくなったのか、少し苦しげに股間の辺りを握る。
「やぁっ、中、中で、動く……っ、止めて、リュウト……っ」
「強にしてほしいって?」
「……あっ、ちがっ、違う……っ」
 リュウトがリモコンをいじり、強にした。さらなる刺激がナツキを襲う。
「うあああああっ、いくっ、いっ、あぁっ、いくっ……っ、やだぁぁぁぁっ……」
 ナツキはリュウトの腕の中で、打ち上げられた魚のように全身をガクガクとさせた。張り詰めていた屹立から白濁が噴き上がる。瞳孔は開ききっており、生理的な涙が溢れ、唇の端からは唾液がしたたり落ち、そのままガクンッと力をなくした。
「抑えつけるのに必死で触れなかったけど、乳首もこんなにすっかり固くなって」
 羽交い締めの体勢からそのまま、リュウトはナツキの乳首を指先で触り始めた。ナツキがビクンと喉をそらす。
「ひゃっ……」
「乳首気持ちいい? ナツキ」
「……あっ、うぁう……気持ち……っ」
 どこをどうされても気持ちよくなってしまう。もうナツキはすべてがどうでもよくなり、なすがままになった。
「……おしりも、気持ちいいっ……」
 ピストンバイブはまだ動いていた。いきなりあごを持ち上げられ、ナツキはうろんに見上げる。スオウがベッドの上に乗っていた。下腹部がむき出しになっている。瞬時に目的を察したナツキは口を大きく開いた。
「んんっ……」
 怒張を押し込まれる。スオウの腰が慌ただしく動いた。内頬に先端をこすりつけられる。ナツキは考えるのを放棄した。
「んんっ、くっ……」
 喉に白濁を流し込まれる。ナツキは必死で嚥下した。ピストンバイブはまだ動いている。ナツキからあらゆる思考を奪っていく。
「ナツキ、弱にしたから起きろ。そのまま他の装備もつけて、ゲーム続けるぞ」
「……え?」
 思考の鈍ったナツキでも、その意味に驚く。
「……むり……この状態で旅なんて、むり……」
「じゃあ慣れるまでスイッチ切ってやる。自分で無理なら俺が装備つけてやるけど」
 リュウトは再びナツキの背後から彼の手をつかむと、ステータス画面を開いた。アナル調教ベルトはそのままで、他の装備を足していく。
「……むりだよ、リュウト。戦えない」
「無理でも頑張ってナツキ」
「俺が言うのもなんだけど、つくづく鬼畜だよな、おまえ」
 呆れたような感心したような声でスオウが言う。
 リュウトがナツキの耳元に唇を寄せた。
「勝手に装備はずしたら、お仕置きするからね、ナツキ」
「…………っ」
 ゾクゾクッとナツキが震え上がった。これ以上のことが想像つかなくて、ただただ怯える。
「さ、行くぞ」
 リュウトがベッドから降りた。ナツキは震える足でよろよろと床に立つ。そんなナツキをスオウが支えた。
「……だめ。違和感が。中にずっと入ったまま歩くのなんて、むり……」
「なんか急にすごくかわいくなったな、ナツキ。舌足らずな喋り方になって」
 スオウが嬉しそうに言う。どこかウキウキワクワクしている様子の彼を、ナツキはつい睨んだ。しかし迫力がないのか、スオウは平気そうだ。
「ねえ、リュウト、むり。頼むから、このままゲームは」
「ダメだよナツキ。そんなにお仕置きされたい?」
「……がんばります……」
 ナツキはシュンとして、おとなしく歩き出した。歩くたびに体内のバイブがどこかに当たる。振動やピストンがなくても変な感じだった。身体から力が抜けていく。
「歩けるか?」
 横からスオウが腰を抱いてきた。反射的にビクンッと小さく跳ねてしまう。
「んっ……」
「今、感じた?」
「触られると、ちょっと……どうしても」
「反応しちゃう?」
「…………」
 ナツキは熱っぽく頬を染めたまま、小さくうなずいた。息もあがる。
「……感度が、あがりすぎてて……」
「色っぽくてかわいいよ」
 スオウは褒め言葉のつもりで言ったのだろうが、ナツキはあまり嬉しくなかった。
 宿屋を出ると眩しかった。天候はよく、空も鮮やかな青さだ。
 こんな爽やかな空の下で、バイブを体内に突っ込んだまま歩くなんて。
 ウラクの町の役場に着くと、リュウトがクエストを吟味しはじめた。
「ナツキってまだダンジョンには入ったことなかったんだっけ」
「……メインストーリーのダンジョンなら入ったけど……」
「それ何話の?」
「第一話」
「初歩の初歩じゃないか。弱いモンスターしか出ないやつだ」
「……ほとんどスオウが倒してくれた」
「さっさとメインストーリー終わらせたかったからな」
 二人の会話にスオウが口を挟む。
「よし、じゃあダンジョンに入るか。合成材料用のアイテムもいろいろ入るし」
 リュウトが選んだのは『ザラクのダンジョンをクリアする』だった。
「……ザラク……」
 思考が鈍ってぼんやり反芻するナツキの傍で、スオウが少し焦る様子を見せる。
「そのダンジョン、ナツキにはちょっと強くないか?」
「だからいいんじゃないか。高い経験値が入る。ナツキのレベルももっとあがるぞ」
「本気でバイブ突っ込ませたまま戦わせるつもりかよ」
「ナツキには今まで経験してないことを経験してもらう。ゲームなんだから多少の無茶も大丈夫だ。ナツキの本体は傷つかない」
「身体はそうだろうけど、心は?」
 スオウから真面目に問われ、リュウトが一瞬だけ無言になった。
「……さんざんナツキを犯したヤツが言う台詞じゃない」
「俺は、本気でナツキのことが」
「ナツキが俺にもおまえにも恋愛感情がないことはわかってるんだろ? 一方通行の片想いだって、わかってるんだろ? 俺もおまえもナツキを抱いたんじゃない。犯してるんだ。嫌がるナツキをむりやり性玩具にしてる。自覚しろ。愛してるって言葉で誤魔化すんじゃない」
「…………」
 スオウが悔しそうに唇を噛む。
 リュウトはナツキの肩をつかんだ。ビクッとナツキが小さく跳ねる。
「あっ……」
「肩も性感帯なのか。ナツキの身体はすごいな」
 耐えるようにナツキが小さく震える。熱い呼吸が唇から漏れた。
「……ねえ、もう、取って。取りたい……」
「だめ」
「立ってるだけでもつらい」
「だめ。耐えて」
「……あぁ……」
 ナツキの唇から深いため息がこぼれ落ちた。
「さ、ナツキ、行くよ」
「……どこへ……」
「だから、ザラクのダンジョンだ。スオウ、おまえも来いよ、ナツキが心配なら」
「言われなくても行くよ」
 スオウは拗ねたような顔で返事をした。

つづく