悠久の大陸 13

(掲載日:2017年03月03日)

「おい、こら」
 見かねたスオウが不機嫌な様子で口を開いた。ようやくリュウトはナツキの他にも人がいたことに気づいた様子で、視線をそちらへと向けた。
「誰?」
「俺は、ナツキの」
 そこまで言ってスオウは言いよどんだ。
「いや、俺はナツキの……ナツキのことが好きで」
「出会ったばかりで、もう好きに?」
「時間なんか関係ないだろ。とにかく俺はナツキのことが好きなんだ」
「奇遇だな。俺もナツキのことが好きだ」
 リュウトとスオウの間で火花が散った。
「あの……」
 ナツキが口を開く。
「俺はどっちとも恋愛する気ないんだけど」
「提案がある」
 ナツキの声を遮るように、リュウトが口を開いた。
「二人でナツキを共有しないか」
「は?」
 ナツキとスオウが同時に驚きの声をあげた。
「今後は三人でパーティを組もう。どちらがナツキに手を出しても怒らない、文句も言わない。ここはゲームの世界だから、多少の無理や無茶をしてもナツキの身体を傷つける恐れはない。俺は三人ですることになっても構わない。どうだ?」
「どうだって言われても」
 スオウが戸惑っていた。
「俺はナツキとは離れたくない。でも三人って……」
「二輪挿しには興味はないか?」
「ある」
「なら、決まりだな」
 あっさりと二人の意見が固まり、ナツキは焦った。
「待っ、俺の意見っ」
「そういうわけだから、ナツキ」
 リュウトが振り返ると、パーティの誘いが表示された。
「……俺の、意見……」
 心の中で涙を流しながら、ナツキはしぶしぶ「YES」を押した。これで三人組のパーティとなった。パーティの最大人数は三人までなので、ゲームを進めやすいちょうどいい人数が揃ったことになる。
 リュウトが座り込んでいるナツキの腕をつかんだ。
「じゃあ行こうか、ナツキ」
 青空を背に爽やかに微笑むリュウトは、眩しいほどに美しかった。
 悲しい気持ちになりながら、ナツキは腕を引かれて立ち上がる。全裸な上に精液でどろどろになっている自分の姿がとても惨めだ。
 しかしリュウトが何か呪文を唱えると、キラキラと小さな光が舞い、ナツキの全身はたちまち綺麗になった。
「装備し直して」
 言われるがままに装備を直す。スオウだけではなく、リュウトも身体を綺麗にする魔法が使えるらしい。
(今、一番欲しい魔法だな……レベルいくつで使えるようになるんだろ)
 ため息つきつつ準備を終えると、リュウトがひとつ頷いた。
「出発するぞ」
「どこ行くんだよ」
 スオウがぼやくように言う。
「とりあえず町に向かおう」
「俺たちそっちから来たんだけど」
「宿屋に行きたいんだ。三人になったお近づきの印に」
 リュウトが不穏なことを言った。たちまちナツキは嫌な予感に襲われる。
「宿屋に、何をしに?」
「着いてから教える」
「今言えよ」
 ナツキが不機嫌にむくれた。
「またエッチなことするつもり? 俺もう昨日からずっとやってばっかりなんだけど」
「昨日からなんだ?」
 スオウが目を丸くした。
 リュウトがふっと笑う。
「何のためにアダルトゾーンにいると思ってるんだ。純粋にゲームするだけのつもりなら、最初からこっち側には来ないだろ」
「あっ!」
 ナツキが急に思い出したように声をあげた。
「リュウト嘘ついただろ。アダルトゾーンと全年齢ゾーン、自由に行き来できるとか。行けないじゃないか」
「いずれは行けるから嘘をついたわけじゃない。少なくとも俺は自由に行き来できるからな」
「でも俺は行けない」
「もっとレベルをあげればいいじゃないか。俺と組めば強いモンスターとも対峙できるし、高い経験値も入るんだから。マイペースにゲームやりたいって言って、パーティ組むの拒否したのはナツキのほうだろ」
「そうだけど……」
「アダルトゾーンに行ってみたいか聞いた時に、拒否しなかったのはナツキのほうだろ」
「そうだけど……」
 ナツキの立場は弱かった。言い負かされてしまう。
「ゲーム内でセックスしたいって少なからず思ったんだろ?」
「……そうだけど……でも、こういう意味じゃなかったし」
「こういう意味って?」
「だから……男に抱かれるつもりで来たわけじゃなかった」
「俺は抱くつもりで連れて来たよ。何の下心もなくボランティアでわざわざこっちまで連れて来ると思うか?」
「……そうだけど……」
 やはり立場は弱いのだ。
「とにかく、三人パーティになったことだし、互いのルールを作るためにも、一度町の宿屋に行こう」
「……互いの、ルール……?」
「いいから来い」
 ナツキの腕をつかみ、リュウトが歩き出した。慌ててスオウもついてくる。
「おいこら、俺を置いて行くな」
 ナツキはドキドキしながらリュウトの横顔を眺めた。一度は逃げた身、リュウトが怒っていないはずがなかった。何をされるのだろう。そう思うとめまいを起こしそうだ。
 町にはすぐに着いた。すでに夜は明けている。
 リュウトの足取りには迷いがなく、じきに宿屋に着いた。ナツキは思わずごくりとツバを飲み込む。自分の身がこれからどうなるのかわからなくて、恐怖すら覚えていた。
 空き室はあった。宿屋の主人のNPCとやりとりをしたリュウトは、ナツキを連れて二階へとあがる。スオウも慌てたようについてくる。
 狭い部屋だった。ベッドもひとつしかない。
「三人で寝るには狭くないか?」
 スオウが率直な意見を言った。リュウトがふふっと笑う。
「ベッドがひとつあれば充分セックスはできる」
 リュウトはナツキをベッドへと突き飛ばした。
「あっ」
 ナツキはよろよろとベッドに倒れ込んだ。スオウが少し慌てる。
「おい、ナツキを雑に扱うなよ」
「君は本当にナツキのことが大好きなんだね。雑に扱うつもりはないよ。俺だってナツキのことは愛してる」
 リュウトはベッドに乗り上げ、ナツキの装備に手をかけた。
「あ……」
「触っただけでもう感じるのか。ほんの一日二日でナツキもすっかり慣れてきたな」
「ちが……」
「蔓の粘液の効果がまだ切れていないのかもしれないな」
 リュウトはひとつずつナツキの装備を外していく。下着一枚だけにすると、うつ伏せに転がした。
「う……」
「俺たちも脱ごう」
「えっ……あ」
 スオウが戸惑っていた。承知してついて来たものの、まだ気持ちの整理ができていないようだった。
「おまえだって抵抗できないナツキを襲って犯したんだろ? 俺たちは同じ穴のムジナだよ。今更、綺麗事なんて通用しない。俺たちはナツキを性の玩具にして性処理をしたんだ。その事実は消えない」
「…………」
 スオウが耳に痛い話を聞いたような顔をした。
「好きとか愛してるという言葉で免除されたいだけだ。ナツキを好き勝手にした事実は消えない。それでも俺は今後もナツキを抱きたい。おまえは?」
「俺だって、ナツキを抱きたい」
「俺たちの意見は一致してる。ナツキの気持ちを二の次にしてでもナツキを犯したい。俺たちは共犯者だよ」
 ナツキはベッドに突っ伏した体勢のまま、二人の会話を聞いていた。
(……俺は……玩具。ふたりの、玩具……そういう扱いなんだ)
 絶望に似た気持ちに襲われる。どうしてこうなってしまったのだろう。ナツキは普通にゲームをやりたかっただけだったのに。
 リュウトとスオウが装備を脱いでいく音を聞きながら、ナツキはこの状況を享受するしかないのだろうかと自問した。
 だが同時に、身体が期待に震えているのも感じていた。触手の森で蔓に犯されて以来、ナツキの身体はどこかおかしい。何か別のものに作り変えられてしまったかのようだった。
 これから二人にいいようにされるのかと思うと、だんだん身体が熱くなってくる。嫌なのに。そんなことしたくないと思っているのに。
「お待たせ」
 裸になったリュウトとスオウがベッドに乗った。ナツキはのろのろと顔をあげる。
 目の前にはリュウトがいて、すでに勃ちあがりかけているものが視界に飛び込んだ。背後からはスオウに腰を抱かれ、否応なく四つん這いにされる。
 スオウが尻を撫でてきた。ナツキはひくりと喉を鳴らす。
「ひ……ぅ」
 リュウトが半勃ちのものを握りながらナツキに突きつけた。
「ナツキ、口を開けて」
 口の中にリュウトの屹立を押し込まれた。
「んっ、うっ……」
 リュウトが容赦なく腰を動かし始める。喉の奥を突かれて、ナツキの目に涙が溜まった。
「んくっ、んっ、んっ……」
 リュウトは角度を変えて、ナツキの内頬にぐりぐりと先端を擦りつける。
「気持ちいいよ、ナツキ……」
 ため息混じりにリュウトが囁く。
 スオウは背後で、一枚だけ残されていたナツキの下着を脱がし、やはり遠慮なく尻を撫で回していた。ナツキの窄まりは幻惑の森でさんざんいじられていた名残で、少し腫れて桃色になっていた。
 スオウはためらいなくナツキの窄まりに顔を寄せ、舌を差し込み唾液をまぶせながらぬちゅぬちゅとつつく。ナツキの腰がビクリと揺れた。
「んっ……んっ」
 ナツキは全身をくねらせながら、リュウトの屹立を咥え続ける。その顔がそそるのか、リュウトが嬉しそうに微笑んだ。
「とても嫌そうには見えないよ、ナツキ。喜んで受け入れてるようにしか見えない」
「んんんっ」
 ナツキはいやいやと首を振ったが、リュウトの言う通りだった。本気の抵抗をしていない時点でナツキも同罪なのだ。

つづく