悠久の大陸 11

(掲載日:2017年03月01日)

 幻惑の森はウラクの町から少し遠かった。街道からも外れるので、モンスターの数も増える。
 この辺りには狼系のモンスターが多かった。スオウが一緒ならそれほど大変でもなく、思っていた以上にサクサクと進んだ。町を出る前に装備も新しく揃えたので、ナツキもだいぶ強くなっている。
 モンスターと戦うことにもだいぶ慣れた。
 倒したモンスターの残骸がなく、霧のように消えるゲーム的な仕様もいいのだろう。血が飛び散ったりもしない。
 ナツキのレベルは二十になったが、この先は今までと違ってレベルがあがりにくくなる。大量の経験値を得なければ、なかなかレベルがあがらないのだ。
 幻惑の森に着いた頃には夜になっていた。スオウの様子が少しおかしいことだけ気になったが、ナツキはさっさとレンザニアを採取すべく森に踏み込んで行く。
 紫色の花はすぐに見つかった。森の中心で、花畑のように大量に広がっている。ほのかに花びらが淡い光を放っていて、夜なのにやけに明るかった。
「なんだ。取り放題じゃん」
 喜々としてナツキはレンザニアの花畑に足を踏み込ませた。ひとつ摘む。
「……あれ?」
 ふたつ摘み、みっつ摘んだ。次第にナツキの足取りが重くなっていく。
「……あ、れ……?」
 ガクンと身体が倒れた。花畑の中心で身動きできなくなる。
「あれ?」
 仰向けに倒れたナツキを、スオウが上から見下ろしていた。
「なあ、俺、どうなったんだ?」
「倒れてます」
「……なんで?」
「呪われたんです。レンザニアの花を摘むと呪われるんですよ」
「え? ……なんで?」
「さあ? それは知らないけど」
 スオウが首をかしげた。
 ナツキは激しく戸惑う。
「え? 俺、どうなるの?」
「動けません」
「ずっと?」
「呪いが解けるまでは」
「……え、ゲームできないじゃん」
「そうですね。厳密に言うと、頑張れば動けるんです。ただ、HP削れて瀕死の状態で町まで戻ることになりますし、たぶん途中で力尽きると思います」
「……力尽きたらどうなるの?」
「どうもなりませんよ。力尽きた場所からやり直しです。ゲームですからね。でもその時には呪いは解けてるから、また普通に動けます」
「……俺、どうしたらいいの」
「じっとしててください」
「……え……?」
 スオウが傍にしゃがみ、ナツキの頬を手のひらで捉えた。
「ごめん」
「え……?」
「ナツキ、ごめん」
 スオウは謝りながら、ナツキの頬に口づけた。額に口づけ、まぶたにも口づける。
「本当に、ごめん。許してくれなくてもいいから」
「……何を言って……」
 ナツキの顎が捉えられ、スオウが深く口づけた。
「……んっ……」
 舌が絡みつき、唾液を注ぎ込まれる。ナツキはもがこうとしたが、身体は動かなかった。
「……って、待っ……スオウ、何す……」
「ごめんね、ナツキ」
 スオウは謝りながらも興奮していた。ベルトを外す音がカチャカチャと鳴る。ナツキは焦った。
「変なことしたらパーティ解除って……」
「解除してもいいから。今だけ……今だけ……」
 スオウがズボンの前をくつろげる。中から取り出された屹立に、ナツキは息を呑んだ。
「や……」
「ほんと、ごめん、ナツキ」
 スオウは謝りながらも、大きく育ったそれをナツキの頬に擦りつけた。
「んっ、やっ」
 顔をそむけようにも、身体が動かない。
 スオウはナツキの顎を捉えると、半ば強引に口を開けさせた。屹立の先端をナツキの唇にあてがい、ゆっくりと押し込んでいく。
「んっ、んんっ」
「ほんとにごめん」
 スオウはナツキの顔の上にまたがった。喉の奥を突かれたナツキはその苦しさに低くうめいたが、動けない身体ではどうすることもできなかった。
「んっ……」
 スオウが緩やかに腰を動かし始めた。ナツキはされるがままになるしかない。
「……んっ、んんっ……」
 スオウの硬く膨らんだ熱いものが口から出し入れされる。ナツキは嫌でたまらなかったが、耐えるしかなかった。スオウはすっかり興奮している様子で、夢中で腰を振っている。
「……ナツキ、ナツキ……っ」
 うわ言のように名前を呼ばれた。
 やがてスオウの腰がぶるっと震え、ナツキの喉めがけて白濁を注がれた。
「んっ、くっ、ふっ……ぐっ」
 かろうじてむせなかったが、苦しかった。
 ようやくスオウが引き抜いてくれたが、放たれたものはそのまま口の中に残っている。吐き出すこともできず、嚥下するしかなかった。
「やばい。ナツキに飲んでもらえる日が来るなんて」
 スオウの興奮はまだ収まっていなかった。たちまち股間のものが復活し、ナツキの服が脱がされていく。
 ぼんやりと発光する花たちに囲まれながら、動けないナツキはスオウを眺める以外にできることが何もなかった。
 スオウはいい男だと思う。いくらでもモテるだろうに、どうして自分なのだろう。ナツキは不思議でたまらない。自分のいったい何が男たちを惹きつけているのだろうか。
 案外冷静でいられている自分が不思議だった。ゲームの中で起きている出来事は、意識のどこかで現実だとは思っていないのかもしれない。
 眠りの中で見ている夢のような感覚なのだろうか。
 スオウの息が荒い。獣みたいだった。ナツキのどこに彼を興奮させる要素があるのかまるでわからなかったが、その眼差しはナツキを捉えて離さない。
 ナツキの胸元を開き、顔を寄せて、乳首に吸いついてきた。思わずナツキはまぶたを閉ざす。
「んっ、あっ」
「感じてる? ナツキ、感じてる?」
 スオウが熱く問いかけてきた。ナツキは返事をしなかったが、自分の身体がやけに敏感になっていることには気づいた。
(……ああ、まずい。俺の身体、おかしい)
 蔓の粘液による催淫効果はとうに切れているはずだった。なのに身体が敏感になっている。どういうことだろう。
 スオウの手がナツキの肌を這う。首筋にキスされる。
 息があがった。
「んっ、くっ……」
 スオウの手がナツキの下腹部へと伸びた。ズボンの上からやんわりと握られ、ゆるゆると揉み込まれる。
「あっ、やだっ」
「やばいよ、ナツキ。色っぽい。色っぽすぎる」
 スオウがますます興奮していく。
 下着の中にスオウの手が入ってきた。じかに握られる。遠慮なく扱かれた。
「うっ、あっ」
「感じてるね。大きくなってきた。俺の手でナツキが感じるなんて、夢みたいだ」
 スオウが下へとさがり、ナツキの股間に顔を埋めた。先走りがにじむそれを、スオウはためらいなく喉へと誘う。根本を扱きながら顔を上下させて、舌も遣って濃厚に愛撫してきた。
「あぁっ、あっ、んっ、ふっ……」
 ナツキの頭が真っ白になる。あっという間に何も考えられなくなった。
「あっ、イクっ、イク……出る……っ」
「いいよ、出して」
 ビクンッとナツキの腰が揺れ、ドクドクと溢れた精を、スオウが口で受け止めた。
「感度いいね」
「……普通だよ……」
 ナツキは消え入りそうな声で答えた。もうやめてほしいが、それを訴えたところできっと無駄だろう。それほどスオウは興奮しており、中断させるのは難しそうだった。
 ズボンも下着も脱がされ、両足が高く持ち上げられる。オムツを替える赤ん坊のような体勢にされた。否応なく、尻が浮く。
 スオウは興奮しながらナツキの白い尻を撫で、すぐに窄まりに口づけてきた。
「……あっ」
 シワの一本一本を広げるように、舌でつついてくる。ぬるっと舌をねじ込まれ、ナツキはビクンッと小さく跳ねた。
「……やっ」
「ここ、舐められたの初めてですか?」
「……は、はじ、めて……っ」
 ナツキはビクビクと小さく震えた。
 唾液をまぶせながら、ヌクヌクと舌を抜き差しされ、ナツキの気が遠くなる。
「や、だ……そんな、とこ、舐めな……で」
「気持ちいいんですね。ビクビクしてる」
「ふ……っ、あっ……」
 唾液を注ぎ込まれ、舌の次は指を突き入れられた。
「あっ」
「温かい。ナツキの中、すごく熱い」
 内壁を指先で撫でられた。そこを擦られると、どうしてもリュウトとのセックスを思い出してしまう。体内を好き勝手に動いていた蔓を思い出してしまう。
「あっ、だめっ」
「いいんですね。知ってます? ここに前立腺っていうのがあるんですよ」
 指先で中の一点をトントンと押され、ナツキはビクビクと跳ねた。
「あっ、やあぁっ、そこ、だめっ……」
 ビクンッとのけぞった。
「ここ、好きみたいですね。もっと触ってあげますよ」
「あぁっ、だめ、やめっ、いやっ……」
 集中的に前立腺をいじられて、ナツキは再びビクンッとのけぞった。
「うあぁあああああ……っ」
「気づいてます? 射精してないんですよ。ドライオーガズムって言うんですよね、それ」
「……はぁっ、あっ、あぁっ……」
 ガクガクとナツキの全身が小刻みに震える。
「ドライオーガズムってね、女の人のオーガズムと同じで、ずっとイケるんですよ。何度も何度も、波が寄せて押し返すみたいに、何度でもイキ続けることができるんです」
「……も、やだ……っ」
 ナツキの目元に涙が浮かぶ。
「何言ってるんですか、すごく気持ちよさそうですよ」
「……やだ、死んじゃう……」
「大丈夫ですよ。死にません」
 スオウの指先が再びナツキの中をいじり始めた。ナツキははぁはぁと苦しげに呼吸を繰り返しながら、されるがままになるしかなかった。

つづく